ヴィーンへの旅:2012年3月30日
今日でヴィーンへの旅も終わり。朝食後、荷造りをして部屋を後にする。昨日から断続的に降っていた雨がますますひどくなってきたので、仕方なく空港行きのバスが出るスウェーデン広場までタクシーを使う。運転手のおじさんは空港まで乗ってほしかったらしく、不満げだったが、こちらは往復のバスの切符を買ってしまっているので、仕方がない。
早めに空港に着いて、マシーンによるチェック・インを済ませるが、困ったことに座席が指定されない。聞けば、搭乗口で間違いなく指定してもらえるとのこと。よい席を早く確保しようと早めに来たのに、これでは半分無駄足だ。余った時間、カフェで過ごそうとコーヒーを買うが、ここでも驚かされることがあった。「バリスタ・スペシャル」なるコーヒーを注文して、きっと「バリスタ」を名乗る店の従業員か誰かが選んだ豆のコーヒーが飲めるものと思いきや、これでもかとばかりにコーヒーにクリームを何種類も盛りつけたものが出て来た。「スペシャル」というのは、広島のお好み焼きと同じで、何でも入れるということなのでは、と妻が言っていたが、けだし明察である。
オーストリア航空の成田行きの便は満席で、若いカップルがオーヴァーブッキングのためにはじき出されていた。妻と私がいる列は、ディスプレイもコントローラーも動かず、結局電灯を消すこともできず、辟易した。映画を見たかった妻はとくに不満そうだった。座席の機器の整備もしっかりしてほしいものである。
機内では吉田秀和がヨーロッパ滞在中に接した芸術家のことを中心に書いたエッセイ集を読むが、これは本物の芸術論ではないだろうか。議論に引き込まれ、すぐに最後まで読み通してしまった。国際版の日本の新聞も読んだが、しばらく日本を離れたいたあいだ、国内政治はますますおかしな方向へ向かっているように見える。
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