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ライプツィヒ&ドレスデン旅日記:11月5日

 朝食の後、ライプツィヒに研究滞在している知り合いの研究者と待ち合わせ、まずバッハゆかりのトーマス教会の傍らにある喫茶店カンドラーにて、コーヒーを飲みながら、ライプツィヒでの生活のことや、研究のことなどを話す。ここのバッハ・カフェなるコーヒー、アラビカ種の豆を使っているとのことだが、非常にマイルド。個人的にはもっと濃い味が好みだが、ここの名物とのこと。
 ひとしきり話した後、そろそろ昼食でも、ということになり、少し南に下ったところにある、有名なアウアーバッハス・ケラーと並ぶ伝統を誇るというテューリンガー・ホーフへ移動する。その途中、街を歩いていて思ったのだが、5年前に来たときよりも、地下駅の工事が進んでいるようで、街の見通しがずいぶん良くなっている。地下駅建設のために、市民に親しまれて来た、緑豊かな公園が破壊されて、猛烈な抗議が行なわれているシュトゥットガルトに比べれば、スムーズに工事が進んでいるとのことだが、それにも複雑な気持ちにならざるをえない。
 本やCDを売っている少し洒落た店で、ロッテ・レーニャがヴァイルを歌ったのを集めたCDを見つけ、買い求めた後、テューリンガー・ホーフでは、そろそろ出始めたジビエでも、ということで、薄く切った鹿肉を巻いてよく煮込んだ料理を食す。肉が柔らかいし、ブルーベリーの入ったソースとも良く合う。黒ビールともぴったりだ。久しぶりにまっとうなドイツ料理を食べたような気がする。
 知人といったん別れた後、街の中心にある造形美術館を訪れる。ここの目玉は、ライプツィヒ出身で19世紀に活躍した、マクス・クリンガーのモニュメンタルな彫刻と絵画のようだが、いかにも大げさで、壮大な勘違いの塊としか思えない。
 ここのコレクションそのものは、14世紀の作品から現代の作品までそれなりに充実していて、旧東独時代の絵画が見られるのも貴重だが、印象に残ったのは、まずオットー・ミュラーの恋人たちの絵。若さと儚さを同時に感じさせる。ココシュカによるジュネーヴの風景も美しい。ここに所蔵されている有名な作品の一つが、ベックリンの「死者の島」だが、これは少し前のはフリードリヒの無限へ開かれていく風景と好対照をなすように思えた。その他では、デ・ホーホの室内風俗画が、細密でありながら親密感を醸して素晴らしい。植民地出身の労働者ムラートの笑顔を捉えたハルスの肖像画も傑作だ。エル・グレコの、倉敷の大原美術館にあるのとまったく同じサイズと構図の受胎告知図を見つけ、驚いてしまった。
 美術館を後にし、部屋に戻って読み差しの本を読み進めた後、先の知人と再び落ち合って、行き着けというアイリッシュ・パブへ。飲みながら、研究の方向性などについて意見交換するうち、夜が更けていった。

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