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旅支度の変遷

 今日から一週間足らずベルリンへ出かける。おもに学会に出席したり、本を探して買い集めたり、あるいはわたしが研究しているヴァルター・ベンヤミンという思想家のベルリンでの足跡をたどったりする予定だが、夜は可能なかぎりオペラやコンサートへも足を運ぶつもりである。今ようやく荷造りがひと段落したところ。
 出かける直前の荷造りにあたふたするのは今も、初めて国境を越えて旅した10年前もたいして変わらないが、それに至るまでの旅支度は、すっかり様変わりした。かつては宿ひとつ取るにも、辞書を引き引き予約申し込みの手紙を書いて、それをファクスで送ったり、あるいはしどろもどろのドイツ語で電話してみたりといった感じだったし、一度など先方から予約確認の封書が届いたりもしたものである。それが今は宿もネットで簡単に予約できてしまう。それ以外にも、オペラや演奏会のチケットもネットをつうじて、(もちろん英語が読めることが前提だけれども)比較的容易に手配できてしまうし、ドイツでは鉄道の切符の購入も、特急列車の席の予約もネットで(ということは日本に居ながらにして)済ませられるのだ。鉄道の場合、ドイツ鉄道のサイトで、無料の利用者登録をし、「駅すぱあと」のような感じで適当な時間の列車を探し、禁煙か喫煙かといった席の希望を入力していけばよくて、最終的に切符を郵送してもらうこともできるし、ドイツ国内の路線であれば、「オンライン・チケット」というタイトルのページをプリントし、購入に使ったクレジット・カードと一緒に車掌に提示すれば、切符として通用する。JRの切符もそんな感じで簡単に入手できたら、と思うが、なかなかそうはいかないようだ。ともかく、手足を動かさないままで旅の下準備のほとんどができてしまっていることに、空恐ろしささえ感じているところである。
 今回、特急列車を予約しなければならなかったのは、ベルリンに腰を落ち着けるつもりが、急に日帰りでヴァイマールへ出かけることになったからである。2月中旬までポツダムに滞在していたときに面倒を見てくれたポツダム大学の教授が、ヴァイマールで開催されるフリードリヒ・シラー没後200年記念学会で発表するから聴きに来ないか、と誘ってくれたので、急遽行くことにした次第。朝の6時に出て夜にベルリンへ帰ってくるという強行日程である。美しいと言われるヴァイマールの街を見て回るのは次の機会になりそうだ。
 この旅行のための他の支度はすべてネットで済ませたのだが、このシラーについての学会への参加申し込みだけは、ファクスということになった。ほんとうはネットをつうじても申し込めるのだが、日本の住所を表記するときに用いるハイフンのような記号を、この学会のサイトが受け付けなかったのである。ファクスを送った後、ヴァイマールからすぐにメールが来て、参加料の支払いや資料の受け取り方法などについて少しやり取りしたが、その際、こちらの問い合わせに答える先方の返事の本文の下に引用されている自分のメールのテクストに文法的な誤りを発見して、ちょっと赤面してしまった。

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